Wandering JinBe

全国各地・各業界を放浪するJinBe(じんべえ)の総合的なBlog

【過去Blog/体験談】「事業執行部がっけもの」の活動を振り返って

閲覧者の方々へ
 こちらの投稿記事は、青森県総合社会教育センターの人材育成事業"AOMORI創造塾"の一環で開催された子供向け地域振興イベント『めどち☆これくしょん』の運営体験談となります。当企画は、2015年12月6日に開催され、『地域活動とは何か?』という問いを自分に投げかけました。

 企画開催後、自分の考えを整理し、青森県社会教育センター・協力者の方々の許可を得て、2016年6月26日に体験談をブログに掲載させていただきました。

 その当時の文章等や表現は変更せずに、再度掲載させて頂きます。

 こちらの投稿記事は、A4用紙25枚(20.605字)という長文となったため、区切りながらの記事投稿をしましたが、新しいブログに以降したため、全文と追記事項をすべて掲載しております。

  

 

 

 

もののけたちと出会う

12月6日の”陰陽師” 

 昨年の12月6日。早朝は冷え込み、山間の道路は凍結していた。

 前日の徹夜明けで眠気が残っていた僕は、交通事故を起こさないようにゆっくりと会場まで車を走らせた。早めに家を出たつもりだったが、会場となる南部町”福寿館”には、イベントスタッフたちが既に到着し、会場の設営を行っていた。

 この日がやってくるのが早かったような…イベントの始まる前なのに、身体はなぜか疲れていた。そんな状態とは裏腹にに頭の中では、開催までなんとか漕ぎ着けたことに安堵していた。

 次々と物資が運び込まれ、会場が整えられていく。僕は先輩から借りた”陰陽師”の衣装に着替え、子供達を楽しませる”もののけ”たちの登場を待った。

「イベント開始まであと少し」先ほどまでの疲れはどこかに吹っ飛び、緊張しながらも、イベント開始の合図が待った…


”もののけ”に親子夢中

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方言でカッパを意味するメドチ(メドツ)をはじめ、三八地方に伝わる「もののけ」をテーマにした一風変わったイベント「めどち☆これくしょん」が6日、南部町の福寿館で初開催された。(デーリー東北/12月10日 掲載記事抜粋)


「めどち☆これくしょん」のチラシ

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イベント開催の2週間前ほどに小学校3年生以下に配布された


 小学生の頃、”河童”の存在を信じて、池や川に近づけなかった。
 秘密で友達と釣りに行った時、両親への罪悪感と”河童に引きづり込まれるかもしれない”という心配で胸がドキドキした。
 「ゲゲゲの鬼太郎」は夕方のテレビで放映されていたし、今よりもずっと素直だったから、迷信や子供たちの間で広まる不思議な噂話を本気で信じていた。何よりも田舎の夜には、暗闇から何か得体の知れない者が現れるような恐怖が漂っていた。

 

 時間が流れ、大人になった。
 河川敷で友人たちとバーベキューをするようになった。
 あんなに怖かった夜は、お酒を飲む楽しい時間に変わった。ただ、子供の時に出会った”もののけ”たちは、そこにずっといる存在しているような気がした。

 

 まさかそんな自分が、”もののけ”たちを運営する側になる日が来るとは…。 
 大人には、大人になると知る”もののけ”たちがいて…毎朝、布団から”もののけ”は、僕を離してくれない。それだけならまだしも、この三八地域には、”もののけ・過疎リアン”なんて奴もいて、いつの間にか人が減っていく。

 子どもの時に出会った”もののけ”たちは、どこか可愛らしい感じがする。今は毎日、大人になって出会った手強い”もののけ”たちと闘っている。そんな大人の”もののけ”たちに一矢報いてやろうと活動してみた僕自身の記録を今から書いていこうと思う。活動して行く中で出会い、そして、感じた、たくさんの”もののけ”たちの話を。
 もちろん、ここから書いていくのは…僕が個人的に感じたことだ。人の目に触れされることは、もしかしたら、いけないことなのかもしれない。それでも書いてみようと思ったのは、僕自身の記録のため。そして、何かこの記録が役立つ人もいるんじゃないかと考えたから。

 この場所に生きる”もののけ”たち。子どもの時に出会ったアイツら、大人になって僕自身を苦しめる奴…たくさんの”もののけ”たちが身の回りにいて、ある時には悪魔になって耳元で囁き、誘惑し、ある時には、昔からの友人のように一緒になって笑い合う。いづれこの記事を読んで、”過疎リアン”に立ち向かう人の何かの手助けになれば嬉しいと思っている。

 ”もののけ・じんべえ”

 高校を卒業して、関東地方の大学へ進学をした。自分の身の回りで役立つ知識を学びたかった。そして、何よりも大きな世界を見てみたいと思っていた。農学部を選択し、実習や調査のため、1年の3分の1を森の中で過ごした。

 研究室で先輩や先生方と過ごした日々は、自分自身に学ぶことの”面白さ”と”実学”の在り方を示してくれた。懐の大きな分野だったから、文系・理系関係なく、経済学・文化学・生物学・物理など様々な学問に触れることが出来た。実学を柱にして、すべての学問に対してのつながりを感じた経験だった。

 

 サークルは、こっちでは出来なかったストリートダンスサークル。元々、興味のあったが、「納得がいくまでやる」「負けず嫌い」「熱中すると周りが見えない」と短所にも長所にもなる性格だったから、いつの間にか大学を休学し、本気でダンスをし始めた。様々な経験をして、たくさんの交流をして、イベントの運営もやってみたりした。
 少し遅い卒業して、関東で就職をして、仕事とダンスをする毎日。悪いことも世の中の世知辛さをすっかり学んで…高校時代とは違う自分になって、地元に戻ってきた。

 

 踊る姿がワンピースの”ジンベエ”に似ていたから、先輩がそう名付けた。
 高校時代にやっていたラグビーを経験した身体はまだ健在で、森の中で過ごすことも多かったから、”クマ”さんとも呼ばれた。煙草を吸う姿は”シロナガスクジラですね”なんても言われた。

 

 自分自身を例えるものが人外ばかりで、もはや何かの”もののけ”である。

 そんな筆者”もののけ・じんべえ”は、関東から戻って2年ほどが経過していた。地元でのつながりも増え、幼少時代とは違ったコミニティが形成されつつあった。小学生の時も友達もいる、中学生の時の友達も。しかし、それ以上に大人になってからの交流が増えていた。
 大学時代に熱中し、就職しても辞めなかった”ストリートダンス”は、地元に戻ってきても続けていた。県内や県外に遠征して行く中で、多くの人と出会い、活動の幅を広げたい時期だった。

 「行動は迅速に」

 今の自分に出来ることを…そう考えた僕は、昨年の夏、すぐに行動を開始した。

※ジンベエ→少年ジャンプ連載中の漫画「ONE PIECE」に登場するジンベエザメをモチーフにしたキャラクター。「魚人」という種族で、人間とちょっと違う。

 足を動かしてみた

 地元での練習場所の確保やイベントの開催など、僕の中に様々な思惑・実現させたい妄想が渦巻いていた。頭の中の産物でしかなかったものを現実にしていくためには、今まで以上にコミニティを広げていくことが不可欠だ。

 手始めに自分自身を知ってもらうこ。そして、自分の所属していない各コミニティを知ることを目的に「名刺配り」をしてみた。
 自分自身が立ち入ったことのない世界に入り込んで、名刺を配る。礼儀や契約を軸とした対等な関係を構築していきたかった。スーツを着て、自分の展望や紹介をしっかりとする。営業活動は前職で経験があったものの、至らない点も多かった。

 何よりも…スーツを着て、「ストリートダンスやってます!」。
 イメージとは少し違う行動に違和感を覚えた人も多かったと思う。しっかりと目を見て、相手と実際に話をすることを大切に。興味を持って貰えたら、それでよかった。

 そんな、各所へのアプローチが一本の電話につながった。

電話鳴り響く

 ある日の午後、携帯電話が鳴り響いた。名刺配りはしたものの、反応があったのは初めてのことで、期待と不安が入り混じる中、電話に出た。

 とある町の行政に関わる方からで、「地域活動に興味を持っている人を探している」というお話だった。「近々、説明会が行われるから、行ってみませんか?」

『地域活動?』
 電話を受けた時には、「何かイベントの手伝いなんだろう」と考えていたものの、よく考えると”地域活動”とは、何なのか自分でよく分かっていない。

「では、日程も合いそうですので、伺ってみます」
 なんて答えたものの、何も分かっていない状態で話を聞くのも失礼な話だ。パソコンを開いて、ネットで情報を集めることにした。

 

ところでここで記事を読んでいる皆様…
「地域活動ってなんですか?」という質問にしっかり答えられる人はいらっしゃいますか?
 自分自身は、この時にはよく分かっていませんでしたし、今でもはっきり答えを出すことが出来ないかもしれません。

 

 ネットで調べてみると、次のように記されています。
「地域活動=その地域に住む人たちが実施する活動」(KeyWord その1)
 そのままの意味のように見えますが、自分の地域で実施される”盆踊り”などの町内行事、清掃などの環境美化活動、スポーツ大会などの開催など住民が運営し、住民が参加する活動はすべて当てはまるそうです。

 世間一般のイメージの「ボランティア活動」を指している訳ではないのです。
 外部の人が運営参加する活動ではなく、「その地域の住民による、住民のための、住民が行う活動が”地域活動”である」と定義されるそうです。

閑話休題。

 電話で話をしたこと、後ほどもらった冊子から情報を得て、僕は説明会に臨むのだった。

出会った”もののけ”たち

 よく晴れた秋晴れの午後、説明会を受けに南部町”名久井公民館”へ向かった。
 時間は大丈夫だと思っていたが、その日の夜にはダンスショーケースがあって、遅れることになると嫌だなと考えていた。説明会なので、聞いたら「この話の断ってもいいかもしれない」と感じていた。メリットがどこにあるのかよく分からなかったから。

 

 説明会は名久井公民館の一室。少し緊張しながら、行ってみると、そこには、自分に匹敵する”もののけ”たちが集合していた。

  • 名久井トレイルランニング等のイベント運営する山の”もののけ・キンちゃん”
  • 実は久し振りの再会だった飲兵衛”もののけ・よっしー”
  • 子煩悩”もののけ・カゲくん”

 そして、県の担当の方、僕を合わせた5人が説明会のメンバーだった。思い返してみると、この地域においては、かなり濃いメンバーだったと思う。

 

 説明会の内容については以下の通りである。

  1. 青森県総合社会教育センター(以下、社教センター)が運営する人材育成事業「パワフルAOMORI!創造塾」の一環
  2. 年度末(2016年3月まで)に企画を開催してほしい。日程的には年内開催がやりやすい。
  3. イベントの予算、広報に関しては、教育センターの方で融通が可能
  4. 子供向けイベント

そんな説明の後、具体的なイベントのコンセプトへ話は移っていくのだった…

 

 この箇条書きの項目ですが、記事を読んでいる方々は、よく分からないと思います。その場にいた僕も頭の中が「?」でいっぱいになりました。

 

概要をまとめると次にようになります

(1)青森県総合社会教育センター

 県の教育委員会の出先機関。県民に対する総合的な社会教育事業を担っています。
(ex.講師を招いての様々な講義の開催、各地域の地域活動の支援 etc.)

(2)人材育成事業「パワフルAOMORI!創造塾」
 地域活動・地域振興活動を活性化させる人材を発掘すること、それらの活動の中心人物と成りえる人材を育成することが目的の人材育成事業です。
 人材を見つけること・育てることがメインとなり、”企画”を計画・運営させて事業を行っていきます。前年度は地域活動の講習を受け、企画を計画・運営していく形ですが、この年から講習はなくなりました。
※この説明は2016年当時のもの。今年度は変更点などございます。
 

(3)予算・広報
 上記の事業の予算の中から企画に関する予算が配分されます。項目別にあるので、企画のコンセプトが決まり次第、予算計画を立てていきます。広報に関する印刷代もここから支払われます。そのため、「どんな人を企画のターゲットにするのか」「どんな宣伝活動をしていくのか」などは早めに決定していかなければなりません。

(4)企画の対象者
 社教センター自体が県教育委員会の出先機関であることから、大人向けではなく、小学生・中学生向けのイベントにした方がいいかもしれないということでした。

 コンセプト決めの前に参加の有無を確認すると思っていた僕。
 話が参加を前提に進んでいることに焦りました。適当に会議を済ませ、断ろうと思ったのですが、他の参加者から提案されるコンセプトが面白いことに気が付きました。

 

 提案されたのは、ハロウィンから子供向けレクリエーション等々。また、「この地域の独自性を取り入れたい」という話でした。三八地方の歴史や風土など、独自の文化をイベントとして何か取り入れる構想もあった僕は、せっかくなので、この話に乗っかり、交流や自分の幅を広げようと思いました。

 

 こう書いてしまうと一文となってしまいますが…
 この企画に参加することにメリットがある・何か自分のスキルや成長を促す何かがあると踏んだのです。フォローは県側でしてくれる、時間は消費するが、金銭的な面での企画の心配はなさそう。同年代の繋がりを作れることは滅多に訪れないチャンス。

 

 打算的な考えですが、「地域活動に参加し、自分にメリットがあるのか?」(KeyWord その2)という問いに「この企画に参加することに意義がある!」自分はそう判断したのです。

 ここから企画のコンセプト作りが始まりました。

 ”もののけ”たちの棲家

 出会った”もののけ”たちにはそれぞれの棲家がありました。自分の住んでいる世界の知識・経験など異なったものを組み合わせ、企画のコンセプト・運営方法を構築していくことが重要でした。

  • 山のもののけ キンちゃん

 「名久井トレイルランニング」など名久井岳に関するイベントの運営や様々な地域活動を行っている彼は、かなりの実力者でした。イベントの運営はもちろん、名久井岳周辺の”古道”や歴史などの地域に密接した情報・興味を持っていました。イベントの構想も既にあるような雰囲気。
↓↓キンちゃんが運営する名久井トレイルランニングのWebサイト↓↓

nakuidaketrail.8file.com(2018年度版に改変)

 

  • 飲兵衛もののけ よっしー

 キンちゃんと共に様々なイベントに参加し、裏方や運営に関わる経験を持つ。後の”がっけもの”の棟梁となる人物。本人はお祭り男だが、予算や仕事内容の調整することに関して一日の長があり、その後の運営業務で様々な潤滑油の役割を果たした。

  • 子煩悩もののけ カゲくん

 行政に関わる仕事をしている彼には、様々な市町村の動向などの情報を持っていた。実はこの企画執行部唯一の”お父さん”であり、企画を運営する際に子供たちの視点や保護者としての考え方を提供してくれるアドバイザー的な存在だった。

 話し合いは、雑談や自己紹介から始まり、それぞれの持ち味を生かしながら、「どのように企画をまとめていくのか」が焦点となった。当たり前だが、没になった構想もある。一回の話し合いだけでは、決まらなかったこともたくさんある。この時点で執行部のメンバーとなった4人には、探り合いながらも、個々の性質・性格を把握することになった大切な話し合いとなりました。

 今回の企画運営だけでなく、企画全般・集団での行動の時に重要となるのは、「適材適所」(keyWord その3)という考え方。過ごした時間、出会った回数などが多ければ多いほど、この言葉は体現出来るのかもしれない。しかし、仕事など出会ったばかりの人と共に何かをする機会は多い。そんな中で「相手に自分をどう説明するのか」「相手をどう見るべきか」等、互いを把握することが大切だ。

 話し合いを終えた自分たちは、次なる行動に移った。


もののけ連合

 この第一回の集まりの状態ではあやふやなことも多くあった。しかし、次に向けて動かなければならない。年内の開催では、時間も限られている。僕らは次のような行動に移行した。

情報の共有化
 連絡網を形成し、様々な情報のやり取りを出来るように整備をした。
 現在はスマートフォンが普及し、簡単に連絡・情報のやり取りが可能だ。資料や写真など視覚情報などもやり取りが出来る。資料などのやり取りはEvernote・google driveのWebサービス、連絡網はLINEのグループ作成をしてやり取りを行った。パソコンが必要に思えるかもしれないが、スマートフォンでもある程度可能である。

情報の整理
 「パワフルAOMORI!創造塾」や今回の企画を口頭で簡単に説明出来るだろうか?
 よほどの話術がなければすることが出来ないと思う。実際、企業や地方自治体へ電話でアポイントメントを取る際に5分ほどの説明を要した。
 何も知らない人に、簡単に伝えることを目的に「企画書」を作成した。この段階では「事業説明書」である。自分たちが整理出来ていないことが他人に伝えられる訳がない。事業概要や組織など公的な書類として通用する形を作成した。
 書類を作成する際には、載せる情報など未決定な項目も整理していく。そうして、事業・企画の埋まっていない部分を自分たちで把握していった。

スタッフ・メンバーの募集
 現状、4人では執行部の人数が足りなかった。運営する企画の内容にも左右されるが、どう考えても主要メンバーも手伝ってくれるスタッフも足りていない。メンバーがそれぞれ各業界に声をかけつつ、人員の募集をしていった。

情報収集
 企画の運営のため、また、コンセプトに沿った企画をしていくための情報収集を開始した。各行政に電話や書面を用いた協力を持ちかけ、情報を収集していく。また、博物館や図書館など”もののけ”に関する情報の歴史資料や聞き取り調査、文献の収集をしていった。

 これらの作業は企画開始のギリギリまで続いていく。ここで大切になったことは「身分の証明」と「企画の裏付け」(KeyWord その4)だ。この部分は、他の企画運営においても重要となる部分だと思う。

”もののけ”たちのいる所

 運営の話が続いてきましたが、次はコンセプトに関する話。実際は、執行部メンバーの雑談などの様々な話が入り混じって決まっていきました。最初から「”もののけ”にしよう」ってスタンスではなく、現実問題や三八地域で使えそうな題材などざっくばらんに話し合った話題から構築されました。コンセプト決めの際に考慮した項目は以下のようなものだったと思います。


「妖怪ウォッチ」の流行
 対象となる子供たちの興味として、「妖怪ウォッチ」が流行っていたことが挙げられます。執行部のメンバーも幼少時に「ゲゲゲの鬼太郎」を見ていたこと、ポケットモンスターやドラゴンクエストをした世代だったこともあり、「妖怪」「不思議なもの」「集める」などのキーワードを回収していきました。

使える題材
 現実的な問題として「著作権」が存在しないことが大切でした。各市町村には、「ゆるキャラ」など親しみやすいキャラクターもいるが、既存のものを使うのではなく、新たな題材を発掘する必要があった。昔話や伝承などは、口伝で残ったものも多く、地域の特性や使いやすさの観点からベストな題材だったと思います。

妖怪ではなく”もののけ”なのか?
 この”妖怪”とイベントに銘打たなかったことに関して、違和感を覚える人も多いと思います。「妖怪ウォッチ」に乗っかりすぎたから辞めたという訳ではありません。
 昔話・伝承されたもの・伝説など地域にまつわる資料を集めていくと、現代科学では解明できない話を数多く見つけることが出来る。これらの話の中には人智を超えた人間の話も、神様が起こした奇跡の話も存在している。


辞書を引くと…
”妖怪⇒ 人知では不思議と考えられるような現象。特に、ばけもの”
”もののけ⇒不思議な現象を起こすもの、生き物”
 同じ意味となっていますが、妖怪関連の書物を読んだ際に「九十九神などの神様は妖怪ではない」という解釈がありました。妖怪と定義してしまうと、神様の奇跡の話は扱うことが出来ないし、何よりも神様に失礼だと考え、広義の”もののけ”という名称を使用しました。

子供たちの心に何か残るものを
 執行部メンバーの多くは、三八地域を離れ、どこか違う土地で過ごした経験を持つ人ばかりだった。僕自身も大学進学、就職と故郷とは違う場所で生活してきた。
 大学などの特に全国から様々な人が集まる場所では、自分と違った地域性を持つ人との出会いは新鮮なもの。その時に自分の故郷のことを思い出すことも多々ある。 
 僕が大阪・岸和田出身の友達と話をしている時、自分の故郷のお祭りの話になりました。彼は「こちらの祭りは気合が足らん!」と言います。彼のお祭りの中のイメージは「岸和田のだんじり祭り」。ニュースでも取り上げられるパワフルなお祭りです。全国で行われる祭事は、どこもエネルギー溢れるものではありますが、彼の中にイメージは少し違ったイメージがあるのだとその時に感じました。
 今回の企画で知ることになった身近な”もののけ”たちが、いつの日か、そういった交流の時や子供だった記憶として残ってもらえたら嬉しいという気持ちで題材を選定しました。

もののけたちを探す


”もののけ”に実際に会いに行く

 企画の題材となった”昔話””伝承”などは、歴史資料館、図書館、博物館、現地取材、聞き取り調査での情報収集を行いました。各市町村にそれぞれの風土に根ざした題材があり、さすがにすべてを調べきることは出来ませんでしたが、それぞれ親しみやすく、自分の身近に”もののけ”たちがいるような話を集めたつもりです。

 

 実際に資料を集めなくても、身近に”もののけ”たちは、存在しています。
 自分の家の近所にある”神社仏閣”。どんな神様がいて、どんな伝説があって、どうしてその場所にあるのか?ご存じですか?
 初詣を毎年する神社でも、道端の石碑でも、なにか面白い事実が見つかるかもしれません。ここからは、現地調査について書いていこうと思います。

 

 日本には八百万(やおよろず)の神様がいると言われています。かなりアバウトですが、スイスの人口くらいの神様がいることになります。日本で言うと、愛知県の人口よりも多い神様です。「神様」と言っても、人間にとって良いことしてくれるとは限りません。様々な性質を持つ神様が私たちには再現出来ない不思議なことをたくさんしています。

 こちらは、実際に現地に行った時の写真です。場所は、三戸町沼尻。「鞍沼」と呼ばれる大蛇の昔話が伝わる場所です。めどち☆これくしょんの際にも昔話を使用させて頂きました。

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青森県三戸町・沼尻地区鞍沼

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鞍沼の立て看板

 昔話自体は割愛させて頂きますが、簡単に説明すると、この場所に”大蛇”がいて、旅人を襲っていたので、退治されたという話です。この大蛇は、雨の日になると”蓑”に化けて、沼に旅人を引き込んでいました。そこからこの場所につながる坂を「蓑ヶ坂」と言います。

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この場所をモチーフに生まれたキャラクター『大蛇のしろう』

 ちなみにですが、蓑ヶ坂は現在は東北遊歩道の一部となっていて、歩くことが出来ます。車で行くことは難しいのですが、東北遊歩道を歩く際には、注意してください 笑

 またの機会に自分が現地に行った場所に関しては、投稿記事を作成したいと考えています。

企画運営の補完

 コンセプトが着々と決まっていく中で、企画の「穴」が見つかっていった。気がつかなかったことや企画を充実させていく上で必要な項目。これらの「穴」を補完していくことが企画の成功のための重要なことだった。

(1)子供のニーズを知る
 企画の参加者として、小学校低学年を対象としていた。しかし、その年齢の子供たちだけが集まる訳ではない。「家族」での来訪も考え、対象年齢よりも下の年齢や子供たちのニーズを知ることが必要となった。また、保護者の方の目線を知り、企画としての魅力、参加者が動きやすい・過ごしやすい環境を構築していくことも大切だと考えた。
 しかしながら、子供を持つ親は、参加メンバーではカゲくんのみ。大人向けの企画運営をすることが多かった他のメンバーでは、子供を中心したイベントの企画・運営力が足りない現状があった。

(2)協力者探し
 企画の”協力者”。企画成功のために多くの協力が必要だった。次のような方々から協力を頂きたいと画策していた。
○本企画の協賛・後援
○スタッフなどのイベントの運営に関わる作業
 当たり前ですが、この企画は教育センターの支援を受けているとは言え、僕たち執行部の企画。この企画を魅力あるものにし、何かしらのメリットを提示して、賛同を得ることが重要でした。後ろ盾はあっても、自分たちで切り開くことが必要となる。

 

 幸いなことに、情報収集やたくさんの方のアドバイスから、これらの問題は少しずつ解決していきました。具体的には次のような解決行動をしています。

  • 子供向けのイベントの見学

 保護者の方からの聞き取り、イベントに詳しい方からの助言を得る。

  • 企画書を作成し、持ち込む

 様々な方から情報を得て、電話でアポイントを取って、実際に話をする。

  • SNSを利用したスタッフ募集の呼びかけ

 この時点で、「めどち☆これくしょん」の直前。本当にてんやわんやした充実した日々でした。

もののけたちをやってみる


僕のエゴイズム

 

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開催時の自分のブースと開会式の様子

 執行部メンバーの奮闘、たくさんの協力してくださった方のおかげで「めどち☆これくしょん」は、大盛況となりました。僕は、「語り部」ブースを担当し、ちょっとくさい演技を入れつつ、子供たちに昔話を語りました。
 今回の企画で制作したカードも好評で、「集める」という子供の心を刺激出来たことは狙い通りでよかったと感じています。また、塗り絵など現地に行って集めてきた情報も役立ち、たくさんの方々と交流することが出来ました。

 

 実際に企画を運営していく中で、もちろん、自分たちが当初に意図していたことからずれてしまったこともありました。ただ、来場してくださった参加者に対して、”もののけ”が身近に存在することを知って貰えただけでも嬉しかったです。

 当日の子供たちの反応を見ると…”もののけ”が「本当にこの世界にいる」と思ってくれた子はたくさんいると思います。もちろん、僕自身もその存在を信じて、語り部役を果たしたのですから。

 異界に住む者たちは、僕たちに恐怖と畏怖を与えます。それはしきたり・伝統など古来から僕たちに投げかけられた”メッセージ”かもしれません。そして、それだけではなく、時に寄り添い、僕らの横を走り抜けていきます。そんな時、僕たちは彼らと笑い合うのです。

 

 企画のコンセプトが決まっていく中、僕にはちょっとした不安がありました。それは「故郷にあるものを知ってもらいたい、そして、何か感じてほしい」という願いが自分自身のエゴイズムではないかと思ったことです。それがたとえ、エゴイズムだったとしても、この企画を執行部・スタッフが作り上げたものは、価値のあるものになったと考えています。

 どんなイベントでも、コンセプトや運営のやり方は悩みが尽きません。その中で、自分が考え、行動したことは、大義名分があったとしても、自分自身の妄想の産物でしかありません。個人の頭の中にあるものを実現し、共有することが他者とつながる方法の一つかもしれません。

 大人には、大人の”もののけ”がいます。だからこそ、子供たちには、こういった場で今しか出会えなかった”もののけ”たちと楽しんでほしいです。

キーワードの回収

 企画当日までの3か月。運営活動やたくさんの交流を通して、たくさんのことを感じ、考えました。企画の運営だけではなく、大きな”地域”としての枠組みのことも。
 今までの記事の中で赤字になった部分は、自分の考える「地域活動」に関してのキーポイントです。それらを回収していきます。”もののけ”というワードから離れて、少し真面目にそういったことを考察していきます。
 もちろん、ここから書くことは、地域活動をさほど経験していない素人が思ったことです。しかしながら、自分が見た・感じた世界に対して自由に書いていきたいと思いますので、ご容赦ください。

 

 今回の企画運営に関わり、大きく3つのことについて考えました。

  • *地域活動のあり方(地域活動ってなんだろう?)
  •  企画運営に関して(次世代の人たちに示せるものはなんだろう?)
  • 外部の方から協力を得るために(他者に自分たちを知ってもらう)

 これらの観点からキーワードを回収していきます。

 

地域活動のあり方(地域活動ってなんだろう?)

Keyword その1 地域活動
 地域活動=その地域に住民たちが実施する活動
(地域の住民による、住民のための、住民が行う活動)

 ここで「住民」とありますが、「住民」とはどんな人たちのことを指すでしょうか?
 「この地域に住んでいる人」と書けば、簡単なのかもしれません。狭義の意味で考えてみると、「特定地域に住み、その地域の風土や地域によって形成された人間性や関係性を持つ人」と記すことが出来ます。
 その地域に10年ほど住んでいる人、何かの事情で3年ほどしか住んでいない人。その人の仕事や生活体系で異なる背景を持ちます。「その地域に住んでいる」という意味では、誰もが当てはまる項目となりますが、背景によって、様々な個々の意識が存在しています。

 

 そんな住民たちが実施する活動が「地域活動」ですから、活動に求めるニーズも目的も、個人によって異なります。しかし、「住んでいる」という共通の意識の中で、その活動の意味や目的をある程度まで理解しているのではないでしょうか。

 ”地域活動”の現状として、過疎地域においては、規模の縮小・参加人数の減少が問題となっています。これは時代背景による”意識の変化”や参加人数の分母となる”住民人数の減少”から問題となっています。
 そういった問題に直面しているため、一定規模の地域活動をしていくためには、外部の人間から助力を必要する場面が存在します。特に今回のような規模や目的の地域活動をしていくためには、外部からの賛同者や協力者の募集が必要不可欠となりました。

 地域活動の本来の意味から考えてみると…外部の協力者が入った活動は、地域活動なのでしょうか?
 これは難しい問題です。しかし、現状として住民と外部の人間が協力することが活動維持のために必要です。今回の事例を参考に、外部の方から助力を得る場合には、以下のようなことが重要となると思います。

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地域を基盤とした活動の運営




  地域住民の特性・知識が土台となり、必要な部分や足りない部分を外部から補う形を取る。調整する際には、土台となった住民のニーズや現状と外部からの意見・情報を合わせ、整合性や活動の問題解決のための努力をしていく。当たり前のようなことを書いているような気もしますが、非常にバランスの難しいことでもあります。

 

 僕は、故郷は青森県であっても、年齢の3分の1は違う土地で過ごしました。どちらかと言えば、外部寄りの考え方だったのではと感じています。しかしながら、この地域で生まれ育ち、僕よりもこの場所に愛着を持つ人はいるのです。
  実際に今回の運営で、僕のような外部の意見・地域住民の意見、どちらを優先させるべきか、考える場面はいくつもありました。視点が違うだけでどちらの意見にも優劣はなく、運営していくために両者の意見を合わせていくことがポイントでした。
 外部の意見は新鮮なものかもしれません。だからと言って、「適当であるか?」は分かりません。適当な判断をするために、情報や手段を判断する際に土台となったものを考え、終着地点に納まるように判断していくことが重要です。もちろん、すべて自分たちで出来る訳ではありませんから、外部のものををすべて否定することも出来ないのです。

 

 適当な判断をするために、僕は常に土台を厚くしていくことが重要だと感じました。
 「地域を知ること」を念頭におき、情報収集と自分の感覚を高めながら、活かしていけそうなものを収集していく。判断材料を多くすることによって、外部・住民の意見を見つめ直すことが可能となります。

 

 僕らは、意外に自分の”住んでいる地域”を知りません。知った気でいる部分が多いのではないでしょうか?身近に存在する問題や情報を認識し、自分の中に蓄積させていくこと。そういったことが土台を厚くし、活動をする際の大きな指針となっていくと思います。

 

Keyword その2
 地域活動に参加し、自分にメリットがあるのか?

 地域活動をする個人へ目を向けてみます。地域活動において、メリット(=価値)が捉え方によって混在し、個人・地域自体で混同しやすいものになっています。「自分にとって利益のあるもの」と考えると、参加する判断は、難しいものになるでしょう。
 尚、今回の企画に自分が参加した理由に関しては、非常に特殊なものだと考えています。前の投稿記事がそのままの理由になるのですが、僕の事情が普通の人と違うものだと思いますので、あまり参考にならないかもしれません。

 さて、”地域活動”の参加区分とメリットを分けてみると以下のようになるのではないでしょうか?

 

地域活動

|-個人で参加の自由を決められるもの(運営や企画へ参加の自由)…(1)

∟参加しなければならないもの…(2)

|-参加しなくても成立するもの

∟参加しなくては、成立しないもの(存続しないもの)
 人の目や交流など心情的に考える部分もありますが、そういったことは抜いて考えます。

 

(1)個人で参加の自由を決められるもの[メリット:個人≧地域]
 ex)めどちこれくしょん、地域で開催されるイベント etc.
 今回ような企画など任意の運営者、参加者が存在するものを指します。自分の意志で、予定や時間を考慮して参加の有無を決定することが可能です。この項目については、僕自身は「自由な参加」でいいと考えています。

 興味があれば、参加すればいいし、魅力を感じなければ、見送ればいいだけのことです。運営側として考えるならば、魅力的なコンテンツを発信していくことや情報を開示し、しっかりとした企画運営を見せることが必要です。
 メリットは当然、個人優先となりますが、参加することによって、人が集まり地域に活力をもたらす結果にもつながるため、地域自体のメリットも多少存在しています。

 今回の企画では、僕自身が参加して非常に有意義なものとなりました。(1)のようなものへの参加は、「自分が何を受け取れるのか」という観点を持っていいと考えます。参加することによって得られる経験は、他の活動ではないものです。そこで得た交流の広がりも自分の人生を豊かにしてくれます。少しさっぱとした考えのように見えますが、苦いと思う経験をすなら、その活動に参加せず、違う場所で笑っていた方がその地域の活力になると僕は感じます。

(2)参加しなければならないもの[メリット:個人<地域]
 ex)お祭り、町内行事 etc.
 もちろん、強制力がないものもありますが、どちらかと言えば地域を優先させる場合が多い項目となります。この項目には、現在、2つの存在があります。地域住民が減少してきた現代において、「参加しなくても成立すること」「参加しなくては成立しないもの」です。

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個人と集団の考え方

 個人と集団、村社会・個人社会など時代と共にスタンスの移り変わりが注目される世の中となりました。上記の図は、日本と海外における考え方の違いを示したものです。僕はこういった学問の専門家ではありませんが、実感する部分も多いので、掲載させて頂きます。

 日本の場合、「集団の中に個が存在する」という考え方が大きく、”自分と集団との距離”・”自分と他人との距離”が重要な文化となっています。
 海外に多く見られるパターンとしては、「個が集まったものが集団である」という考え方が多いです。他人との距離も大切なものになりますが、自己主張をすることで自分というものをアピールします。 

 現在、時間が流れと共に、海外的な考え方も多く日本に流入しました。村社会中心だったものが、個人主義の部分も多くなりました。ただし、個人主義が多くなったとしても、日本人の個人アピールがあまりない風潮のため、主張が他人に伝わらず、「得体のしれない人」ということで認識されてしまうことが多いように思えます。

 こういった現状の中で、地域活動の運営者と参加者双方の隔たりが存在しています。もしかしたら、若い世代と親世代かもしれません。”隔たり”を埋めていくためには、どんなことが必要でしょうか?
 それは自分の事情や心情をしっかりと主張することであると僕は考えています。互いがしっかりと話すことによって、隔たりをなくし、地域活動の活性化を目指すことが大切ではないでしょうか?参加の意味をしっかりと発信し、分かってもらうこと。それだけも現状打破につながる要因になりえると考えています。


 「若造が何を言っているんだ!?」そう思った方、正解です。
 机上の論理かもしれません。しかし、僕ら世代は、何が必要なのか分かっていない世代でもあるのです。当たり前のことを、「この地域にどうして、この活動が必要なのか」をもう一度発信するだけでも隔たりが少なくなると僕は思います。もちろん、僕ら若い世代も、発信されたことを知ろうとする姿勢が大切です。

企画運営に関して(次世代の人たちに示せるものはなんだろう?)

Keyword その3 適材適所

 今回のような企画運営では、「適材適所」というものが、前の記事の投稿にように難しく面白い項目でもありました。それぞれが何らかの分野で活躍しているメンバーであり、そういった経験を結集することが企画運営を成立させていきました。

 前のキーワードの記事でも述べたように地域の”土台”を厚くしていくことが、地域活動では大切になります。地域住民の特性・個々の能力が活動の幅を広げ、問題解決の際の力となります。今回の事例だけでなく、全国各地に個性的な人がその地域で様々な活動をしています。そういった人を発掘すること、交流すること、協力していくことが企画を成功せさるための鍵になると考えています。

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 「適材適所」という観点では、僕自身は「餅は餅屋に」という考え方が強いです。専門分野には、素人は立ち入れない部分があります。しかし、縦と横を見比べて、「どんな分野なのか?」「他の分野と違う考えはどこか?」など、そういった本質と異なった部分を知ろうとする姿勢は大切だと考えています。

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 少し大雑把になってしまうのですが、今回の企画運営では、上記の図のように表すことが出来ます。黄色で囲まれた部分は、この人しか持っていない視点です。共通項と独自の視点を把握することで、適当な役割・仕事をこなしていけたと考えています。

 少し個人的な考えですが、独自の視点を持つということは、集団における摩擦を起こす原因ともなります。しかし、それは人間が違うのですから、当たり前のことです。人間関係が摩擦を起こすことを危惧するのではなく、最終的に「企画が成功するためにはどうすればいいのか?」を念頭にしっかりと終着点を見据えることが大事です。
 自分の意見を主張し、その上で相手の主張も知る。その中から最善だと思うことを判断していくこと、最善だと思うことを探し続けることが企画運勢に大切であると考えています。

 

外部の方から協力を得るために(他者に自分たちを知ってもらう)

Keyword その4
「身分証明」と「企画の裏付け」

 ここまでの内容は、地域・企画運営の内部に焦点を当てたものでした。ここからは、「外への発信」ということに関して書いていきます。
 今回の活動において、外部の賛同者・協力者が必要であり、大きな力となったことは先の項目で書いた通りです。では、外部の方から協力を得るためにどんなことが必要となるのでしょうか?

 僕は、以下の2つのことが大切だと実感しています。

身分証明
企画を運営する団体(企画自体)が 

|-どんな経緯で?(時系列・設立の背景にあるもの)
|-どんなことを目的としているのか?(理念・目的)
∟-私は、こんな人です(役職・あなたにアプローチした訳)

 

企画の裏付け

(1)理念や目的の企画
(2)求めているものは何か?
(3)協力してくれるなら、その上で
ーあなたのメリットは何か?(こちら側から伝える利益の可能性)
-あなたのデメリットは何か?(こちら側から伝える損失の可能性)
(4)今後の展開(今後の対応の仕方、連絡体制など)
→これらは自分の企画運営の自信にもつながる。

 この2つの項目は、簡単に言ってしまえば、「きちんと体制が整った団体で、きちんと体制が整った企画をしています。だから、ご協力いかがですか?」ということです。
 仕事で営業等をしている方には、当たり前のことかもしれません。一般企業が行っている営業活動です。しかし、今回のような事例では、ある種の胡散臭さを持ちます。それは、”地域活動”というものが外部の方に対しては、明確なメリットを示すことが難しいからです。

 

 先の項目で書いた”地域活動”本来の意味から考えてみると、地域の中で成立することが”地域活動”となります。元々外部の人が参入していない活動に協力をお願いする訳ですから、メリットの提示が難しくなるのです。だからこそ、運営団体・企画の基盤をしっかりと説明することが必要になると思います。
 している行動は、企業と同じかもしれません。しかし、そういった社会人・仕事としてのマナーや知識を今回のような企画運営に加えることで、さらに大きな活動へ発展させることが出来ると僕は実感しています。

 正直な話ですが、僕はコネクション等をほとんど持ち合わせない状態で参加しましたので、電話やメールでのアポイントメントなど営業活動をそのまま実施しました。持ち込む企画書印刷のために500枚ほどの印刷紙を消費し、電話料金も通常のプラス1万円です。
 おそらく、もっと上手いやり方もあったと思います。そこまでの行動をしなくてもよかったかもしれません。至らない点も多々ありましたが、この地域で「身分証明」「企画の裏付け」をやっていけば、コネクションなどがなくても、ある程度の協力者を得ることが可能だと実感しました。

最後に

 ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございます。
 

「”地域活動”って大変だな」「運営って面倒だな」って感じた方もいらっしゃるかもしれません。乱文でそのように伝わってしまうかもしれませんが…しかし、実は結論として僕自身が言っていることは、とても簡単なことです。

 「知ろうとする姿勢」「発信」などの言葉が記事に多々、登場してきました。そういったことをふまえて考えてみると、僕が言いたいことは、「人と話をしてみましょうよ」ということなんです。
 インターネットを通して、新聞などの紙媒体を通して、人は情報を得ることが出来ます。しかし、隣人がどんな人なのかは、よほどのことでない限り、それらからは知ることが出来ません。
 「互いが理解し合うこと」は、きっと出来ないことです。経験も生まれた環境も違いますから。しかし、顔を見て、少しでも話を交わし、その人を少しだけ知る。それだけでも何かが生まれると思うのです。
まして、企画運営をしようと思うのなら、そのメンバーで他愛無い話も真面目な話もすることが必要。ただ、話すだけではなく、相手を理解出来なくても知ろうとする、自分のことを話してみる、相手のことを聞いてみる。そういった姿勢が大切なんだと思います。

 

 「人と話す」ということで、僕自身が身近に感じた経験ですが…
 僕が家の周りを散歩していると、小学校くらいの子供に「こんにちわ」と挨拶をされます。僕が子供の時もそうでしたから、当たり前のことかもしれません。ただ、挨拶をされた時、僕は時々挨拶を返せない時があります。
 咄嗟に言葉が出ない。それもあります。こういう時代で声をかけたら、不審者に勘違いされる。そういう気持ちも多少あります。でも、「近くに子供がいる」「その子は僕に挨拶をしてくれる」という認識があるだけで、次に挨拶出来そうな気がします。
 他人に興味がなければ、知ろうとする姿勢がなければ、そういったことも出来ません。子供に限らず、自分の身の回りに誰か大人がいても、挨拶する。そのうち、顔を覚えていったり、何か世間話する機会も多くなるかもしれない。

 

 実学の理念として「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉があります。簡単な意味合いで「小さなことでも、なにかが起きれば、影響していく」ということを指します。
「知る姿勢(認識)→挨拶→・・・めぐっていって・・・→地域活動」
 馬鹿げたことかもしれないですが、そういった小さなことから今の現状があるのではないでしょうか?
 大きな何かをすれば、大きく世界は変わるかもしれません。しかし、小さいことでも世界は変化するのです。一番最初に名前が出た”もののけ・過疎リアン”も実は、小さなもののけ”挨拶シナーイ”が集まった奴かもしれません。

 今回、事業執行部”がっけもの”に参加し、運営の仕方や企画に対してたくさんのことを考えました。しかし、それよりも”地域活動””自分と地域の向き合い方”ということに気がつけたことの方が自分の中では大きな財産になったかもしれないと今更ながらに感じています。
 「こんなに運営的な面を書いて、まとめがこれかよ!?」と感じた方もいるかもしれませんね。ですが、あなたや地域にいる小さな悪さをする”もののけ”を退治することが、優しい”もののけ”たちを取り戻す手段になるかもしれませんよ。

 今、僕達が住んでいる地域は縮小傾向にあります。その中で、小さなこと、相手を知ろうとすること。それらの些細なことがそういった風潮をなくす手がかりになるのではないでしょうか。そして、それらは、いづれ企画の運営など大きなことをするときにも役立つと思うのです。

 人を知ろうとする、人と話す。人間として当たり前の行為・行動です。
 しかし、それを再度、自分の中で見なおしてみる。それが地域や地域活動の活性化につながっていくというが僕の今回の結論です。

 最後になりましたが、今回の事業で関わった多くの方々に再度、感謝いたします。

 また、ここまで長文乱筆の記事を読んでくださった閲覧者の方々、本当にありがとうございました。次回以降は、更新は未定でございますが、現地調査で行った各所の写真や集めた昔話に関して投稿したいと考えております。よろしければ、更新をお待ちください。

 本当に皆様、ありがとうございました。

 

追記


謝辞

 投稿記事を公開しまして、facebookやこちらのブログのアクセス数が増えました。たくさんの方が興味を持って、当ブログを閲覧してくださったことに本当に感謝致します。ありがとうございます。
 「追記」というほどではないのですが、今の自分自身が感じていることを記していきたいと思います。矛盾があることかもしれません。ただ、現状として私自身は、次のように考えております。

記事作成の経緯

 「事業執行部がっけもの」としての活動が終わり、4月に新年度となったことで、当団体は、新しい形となりました。
 『”めどち☆これくしょん”を今年も開催するかどうか?』
 『次の行動として、何がいいのだろうか?』
 もちろん、自分自身のプライベートとも向き合っていかなければなりません。そういった中で、情報の収集をしながら、様々なことを考えた毎日でした。

 三八地域にとらわれず、昨年の企画では扱えなかった地域や題材を見つけることも今年の課題ではないかと思い、活動範囲を広げ、色々な場所に出向き、話を聞いてみました。
 そういった中で、よく問われる質問があります。
「あなたの行動、企画に意味はあるのか?」
 投稿記事にも書きましたが、企画の裏付けや身分証明など今年もやっていかなければなりません。しかし、この質問はそういった意味ではなく、
「あなたの時間を削ってまで、そういった行動をすることにあなた自身がメリットを感じているのか」ということだと思います。

 正直な話ですが…
 facebookの閲覧数が増えても、記事の反響が大きくなったとしても、それだけのことです。時間をかけて作り上げたものが評価されるか分かりませんし、対価に見合ったものが私に返って来るとも限りません。
 このブログでアフィリエイトなんかやっていたら、別かもしれませんがね(;^ω^)

 「その熱意を伝えたいんでしょ?」
 「知ってもらい、認めてほしいんでしょ?」
 そういった声もあります。ただ、自分自身の答えはNOです。「シェアや拡散をお願いしている文章があるのに、それは矛盾ではないのか?」そうかもしれません。

 私自身がやりたいこと。
 それは、ただの実験です。こういったものがどういった反響・影響を及ぼすのか?そして、それによって、何かが生まれるのではないか?
 実学を理念とする私自身が思う「風が吹けば、桶屋が儲かる」それが記事を投稿したことでどのようになるのか?それが実験としての意味。
 それによって生まれるもの…
 それは当団体、私自身にメリットが一切ないものでいいのです。雑談の中に「地域活動」の話が出たとか、公民館などの張り紙をいつもより見るようになったとか、その程度でいいと考えています。

 「地域活動」それは、身近なものです。この投稿記事は、そういったものを題材にしたもの。では、そんな皆様の身近な所に入り混む、そういった小さな風を吹かせてみたい。それが私自身の目的です。

 利益・メリット。それはかならず生まれるものはない。それはすべての事柄に言えることでしょう。利益が出ないから、メリットがないから…それでは出来ないことも数多くあると考えています。
 それは無報酬のことを常にする…そういった意味ではなく、小さな風も大きな風なりえるから、こういったことを行動してみるのだと思います。

 自分自身の「知」を満たす行動かもしれません。
 私自身、ダンスを長年続けていますが、今も昔も楽しみにしていることがあります。それは自分の友人同士を結びつけること。知らない人同士が出会い、科学反応を起こす。そういった行為が好きです。その科学反応が自分自身の知識や経験につながる楽しい事柄だと感じています。

 4月から構想し、完成するのに2週間。今回の投稿記事、読破しなくても大丈夫です。
 あなたの心の中に何か引っかかるものを。
 それを生み出せたのなら、私の目的は達成しているのかもしれません。

 それが、私がこの投稿記事を作成した経緯です。
 これからも皆様の心に何か小さいことを生み出せる何かを発信出来たらと思います。

 まぁ自分自身、立派な人間でも、良い人間でもないので、色々学ぶこと・進歩し続けなければならないことでいっぱいですが…少し楽しんでみようと思います。

 よろしくお願い致します。

 


  追記分も当時のまま、掲載致しました。現在は少し違った考えで行動しております。記事掲載から月日が流れ、様々な行動をし、そして、多くの方々と出会いました。この当時と違った状況になったことも多く、さらに多くの思考と行動の反省をしていかなければと考えております。

 当時の記録・記憶の保存として、このまま掲載させて頂きます。